会社の成長とともに、見えにくい労務リスクも増えていきます

会社が成長すると、従業員数が増え、働き方や雇用形態も多様になります。

起業したばかりの頃には、経営者が従業員一人ひとりの働き方を把握できていた会社でも、組織が大きくなるにつれて、次のようなことが起こりやすくなります。

・誰が何を管理しているのかわからない
・就業規則と実際の運用が合っていない
・部署や拠点によって対応が異なる
・昔から続いているやり方が、そのまま残っている
・担当者ごとに判断や対応が異なっている

日々の業務が大きな問題なく進んでいるように見えても、人事労務上のリスクが見えないまま残っていることがあります。

労務監査は、そうした見落としや不整合を確認し、会社の現在地と改善すべきポイントを整理するためのものです。
eROUMU.netでは、労務監査や労務管理体制の確認に対応する社会保険労務士の情報を掲載しています。
掲載されている社会保険労務士のプロフィール、対応分野、対応地域、相談方法などをご確認のうえ、自社の課題に近い相談先をお探しください。

なぜ今、労務監査が必要なのか

働き方の多様化、労働関係法令の改正、ハラスメント対応、安全衛生、採用・定着への影響などにより、会社の労務管理には、これまで以上に丁寧な確認が求められています。
就業規則や雇用契約書を作成していても、実際の運用と合っていなければ、労務リスクが残ることがあります。

日々の業務の中で整えているつもりでも、

・古い規程が残っている
・書類が不足している
・社内ルールと実際の運用が合っていない
・担当者ごとに対応が異なっている
・現場の運用がルール化されていない

ということもあります。

労務監査は、会社の労務管理に見落としや不備がないかを確認し、問題が大きくなる前に必要な見直しにつなげるための取り組みです。

1. 労務リスクを早い段階で確認できます

労務管理の不備は、すぐに問題として表面化するとは限りません。

しかし、

・従業員とのトラブル
・未払い残業の請求
・ハラスメント相談
・労働基準監督署の調査
・退職や解雇をめぐる問題

などをきっかけに、急に表面化することがあります。

問題が起きてから対応しようとすると、限られた時間の中で、急いで規程や運用を見直さなければならないこともあります。
労務監査を通じて事前にリスクを確認しておけば、会社の状況に合わせて、必要な改善を計画的に進めやすくなります。

2. 「書類がある」だけでなく、実際の運用まで確認できます

就業規則や雇用契約書を作成していても、それだけで労務管理が適切とは限りません。

たとえば、

・就業規則には申請手続きがあるが、実際には使われていない
・雇用契約書の内容と実際の働き方が異なる
・勤怠管理システムはあるが、正しく運用されていない
・部署ごとに異なる方法で対応している

といったことがあります。

労務監査では、

・法令に合っているか
・就業規則や社内ルールと整合しているか
・実際の運用に無理やズレがないか

という視点から確認します。

書類の有無だけでなく、会社の実態まで含めて確認できることが、労務監査の大きなメリットです。

3. 改善すべき優先順位がわかります

労務管理には、多くの確認項目があります。

たとえば、

・就業規則
・雇用契約
・勤怠管理
・残業管理
・有給休暇
・労使協定
・ハラスメント対応
・安全衛生
・休職、復職、退職

などです。

すべてを一度に完璧に整えることは簡単ではありません。

労務監査では、現在の状態を確認したうえで、

・早急に対応したいもの
・将来のリスクにつながるもの
・中期的に改善したいもの
・今後の運用で見直したいもの

に分けて整理することができます。

「何が問題なのか」だけでなく、「どこから直せばよいのか」がわかるようになることも、労務監査を受けるメリットです。

4. 組織拡大に向けた体制整備につながります

従業員が増えてくると、経営者や一部の担当者による個別対応だけでは、労務管理が回りにくくなります。

たとえば、

・誰が勤怠を確認するのか
・残業申請を誰が承認するのか
・有給休暇をどのように管理するのか
・従業員からの相談を誰が受けるのか
・問題が起きた場合に誰が判断するのか

といったことを、会社の仕組みとして整理する必要があります。

労務監査を通じて現在の状態を確認することで、

・規程
・実際の運用
・管理フロー
・社内の役割分担
・相談体制

など、組織として整えるべきポイントが見えてきます。

労務監査は、単に問題を見つけるだけでなく、会社が次の成長段階へ進むための体制整備にもつながります。

5. 労務トラブルの未然防止につながります

未払い残業、有給休暇、労働時間、ハラスメント、休職、退職、解雇などは、従業員とのトラブルにつながりやすい分野です。
会社としては問題ないと思っていても、従業員から見ると、不満や不安が積み重なっている場合があります。
また、管理職や担当者ごとに対応が異なると、不公平感につながることもあります。
労務監査により、トラブルにつながりやすい点を早めに確認しておくことで、問題が大きくなる前に対応しやすくなります。
会社を守るだけでなく、従業員が安心して働ける職場づくりにもつながります。

6. 外部からの信用力向上につながります

会社の労務管理体制は、社内だけの問題ではありません。

近年は、

・取引先
・金融機関
・投資家
・採用応募者
・M&Aの相手方

など、外部から会社の人事労務体制を見られる場面が増えています。

労務管理が適切に整えられていることは、会社の信頼性を高める要素の一つです。

特に、

・事業拡大
・資金調達
・M&A
・事業承継
・IPO準備

などの場面では、人事労務上のリスクが重要な確認事項になることがあります。
財務面だけでなく、人事労務面からも会社の状態を確認しておくことは、企業価値を守るうえでも大切です。

7. IPO準備に向けて、早めに課題を把握できます

IPO準備では、会社の人事労務管理について、より客観的かつ専門的に確認される場面が増えます。

特に、

・労働時間管理
・未払い残業リスク
・固定残業代
・管理監督者の取扱い
・就業規則と実際の運用
・労使協定
・ハラスメント対応
・人事労務関係資料の整備状況

などは、早い段階で確認しておくことが重要です。

問題が見つかった場合でも、準備期間に余裕があれば、優先順位を整理しながら改善を進めることができます。
IPO直前になって慌てて対応するのではなく、早い段階で現在の状態を確認できることは、大きなメリットです。

8. M&Aで人事労務リスクを把握できます

M&Aでは、買収対象企業の財務や事業だけでなく、人事労務上のリスクについても確認することがあります。

たとえば、

・未払い残業などの潜在的な債務
・労働時間管理上の問題
・固定残業代の運用
・就業規則や雇用契約の不備
・労働紛争やハラスメント案件
・休職者や退職予定者の状況
・管理体制上の課題

などです。

買い手側にとっては、将来のリスクを把握するために。
売り手側にとっては、外部から確認を受ける前に自社の状態を整理するために。

それぞれの立場で、人事労務上のリスクを確認しておくメリットがあります。

9. 第三者の視点で、自社の労務管理を確認できます

日々の労務管理を社内で続けていると、それまでのやり方が当たり前になり、見落としに気づきにくくなることがあります。
また、顧問社会保険労務士がいる会社でも、通常の手続きや相談対応と、労務管理全体を広く点検することは別の役割です。

労務監査では、第三者の視点から、

・現在の仕組み
・実際の運用
・見落としや不整合
・将来のリスク

を確認します。

社内では気づきにくい課題を整理できることも、労務監査を受けるメリットです。

10. 監査後の改善につなげることができます

労務監査は、問題点を指摘して終わりではありません。

確認の結果、改善が必要な点が見つかった場合には、

・就業規則や諸規程の見直し
・雇用契約書や労働条件通知書の整備
・勤怠管理の改善
・残業管理の見直し
・労使協定の整備
・ハラスメント相談体制づくり
・管理フローや役割分担の見直し

など、必要な改善につなげることができます。

労務監査で現在地を確認し、その結果を次の改善に活かす。
その積み重ねによって、会社の成長に合った労務体制を整えていくことができます。

会社の成長段階によって、必要な確認の深さは異なります

すべての会社が、最初から本格的な労務監査を必要としているわけではありません。
起業後、従業員を雇い始めた会社には、まず日々の労務管理を整えることが必要です。
従業員が増えてきた会社には、個別対応から、組織としての仕組みへ移行することが必要です。
IPO・M&Aなど重要な経営局面では、より専門的な視点から人事労務上のリスクを確認する必要があります。

eROUMU.netでは、会社の規模や成長段階に応じて、次の3つの相談分野を整理しています。

・成長企業向け 労務管理
・組織拡大向け 労務体制整備
・IPO・M&A向け 労務監査

現在の会社に近い分野から、確認すべき内容をご覧いただけます。

このような会社は、労務監査の検討がおすすめです

・自社の労務管理に見落としがないか確認したい
・就業規則と実際の運用にズレがある
・従業員数が増え、管理体制を見直したい
・経営者や一部担当者に労務管理が集中している
・第三者の視点で労務管理全体を点検したい
・労務トラブルが起きる前に確認しておきたい
・IPO準備に向けて人事労務面を整理したい
・M&Aに向けた労務デューデリジェンスが必要
・買収対象企業の労務リスクを確認したい
・売却や事業承継に向けて、自社の状態を整理したい

まずは、今の会社に必要な確認内容を整理しましょう

労務監査が必要かどうかは、会社の規模や成長段階によって異なります。

「まずは日々の労務管理を整えたい」
「従業員が増えてきたので、労務体制を見直したい」
「IPO・M&Aに向けて、本格的な労務監査を検討したい」

現在の状況に応じて、必要な確認内容は変わります。

まずは、自社の状況に近い相談分野を確認し、どのような内容を相談したいのか整理してみてください。

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