労務管理は「日々の運用」、労務監査は「その点検」です

労務管理とは、従業員を雇用するうえで会社が日々行う、人に関する管理です。

たとえば、

・雇用契約
・労働時間や勤怠の管理
・残業時間の管理
・賃金や各種手当
・年次有給休暇
・就業規則や社内ルール
・ハラスメント防止や相談体制
・安全衛生や健康管理

などが、労務管理にあたります。

一方、労務監査とは、その労務管理が適切に行われているかを確認する点検です。

労務監査では、会社の労務管理について、

・法令に合っているか
・就業規則や社内ルールと整合しているか
・実際の運用に無理やズレがないか

という視点から確認します。

書類が整っているかだけではなく、会社の実際の運用まで含めて確認することが大切です。

「整えているつもり」でも、リスクが残っていることがあります

日々の業務の中では、労務管理の問題がすぐに表面化するとは限りません。
就業規則を作成していても、現在の法令や実際の働き方と合っていないことがあります。
雇用契約書を作成していても、実際の労働条件と異なることがあります。
勤怠管理の仕組みがあっても、現場で正しく運用されていないことがあります。
また、残業、有給休暇、管理監督者、固定残業代、ハラスメント対応などは、会社としては問題なく対応しているつもりでも、外部から確認すると見直しが必要な場合があります。
労務監査は、そのような見落としや不整合を確認し、人事労務上のリスクを整理するためのものです。

労務監査は、会社を責めるためのものではありません

「監査」という言葉から、

「厳しく調べられる」
「問題点を指摘される」

という印象を持たれることがあります。

しかし、労務監査の目的は、会社を責めることではありません。

現在の労務管理体制を確認し、

・どこが整っているのか
・どこに見落としや不備があるのか
・どこに将来のリスクがあるのか
・どこから改善すべきか

を整理することが目的です。

労務監査は、会社の人事労務面を確認し、次の改善につなげるための点検です。

労務監査で確認する主な内容

就業規則・諸規程

就業規則、賃金規程、育児介護休業規程、ハラスメント防止規程などが、現在の法令や会社の実態に合っているかを確認します。
規程が作成されているだけでなく、実際の運用との間にズレがないかも確認します。

雇用契約・労働条件

雇用契約書や労働条件通知書が適切に整備されているかを確認します。
正社員、パート、アルバイト、有期契約社員など、雇用形態ごとの管理状況も確認します。

労働時間・勤怠管理

出退勤記録、休憩、休日、残業時間の管理状況などを確認します。
勤怠記録と実際の働き方にズレがないか、労働時間を適切に把握できているかを確認します。

賃金・残業代

基本給、各種手当、割増賃金、固定残業代、賃金控除などについて確認します。
実際の賃金計算と、就業規則、雇用契約、勤怠記録などに不整合がないかを確認します。

年次有給休暇

有給休暇の付与、取得、管理状況などを確認します。
従業員ごとの状況を適切に把握できているかも確認します。

労使協定

36協定、変形労働時間制、賃金控除協定など、必要な労使協定が整備されているかを確認します。
届出だけでなく、協定内容と実際の運用との整合も確認します。

ハラスメント防止・相談体制

ハラスメント防止措置、相談窓口、社内周知、対応フローなどを確認します。
相談窓口があるだけでなく、実際に機能する体制になっているかを確認します。

安全衛生・健康管理

健康診断、安全衛生体制、ストレスチェック、長時間労働への対応などを確認します。
会社の規模や事業内容に応じた体制が整っているかを確認します。

休職・復職・退職・解雇

休職、復職、退職、雇止め、解雇、懲戒などについて、ルールと実際の運用を確認します。
トラブルにつながりやすい場面だからこそ、事前に確認しておくことが大切です。

労働紛争・行政対応

従業員とのトラブル、ハラスメント案件、労働審判、訴訟、労働基準監督署等への対応状況などを確認します。
現在進行中の案件だけでなく、将来のリスクにつながる可能性があるものについても整理します。

労務管理診断と本格的な労務監査の違い

すべての会社が、最初から本格的な労務監査を必要としているわけではありません。
起業後、従業員を雇い始めた会社では、まず日々の労務管理を整えることが必要です。
従業員が増えてきた会社では、規程、運用、管理フロー、役割分担などを、組織として整えることが必要になります。
IPO・M&Aなど重要な経営局面では、より広い範囲を専門的に確認する本格的な労務監査が必要になる場合があります。

eROUMU.netでは、会社の規模や成長段階に応じて、次の3つの相談分野を整理しています。

・成長企業向け 労務管理
・組織拡大向け 労務体制整備
・IPO・M&A向け 労務監査

現在の会社に近い分野から、確認すべき内容をご覧いただけます。

IPO・M&Aでは、より専門的な確認が必要になります

IPO準備やM&Aでは、人事労務上のリスクについて外部から確認を受けることがあります。

たとえば、

・未払い残業の可能性
・労働時間管理の不備
・固定残業代の運用
・管理監督者の取扱い
・就業規則と実際の運用の不整合
・労使協定の整備状況
・ハラスメントや労働紛争

などです。

日常の労務管理では大きな問題になっていなくても、重要な経営局面では会社の評価や取引に影響する可能性があります。
そのため、早い段階で現在の状況を確認し、必要な改善につなげることが大切です。

▶︎▶︎IPO・M&A向け 労務監査の内容を見る

労務監査では、問題の有無だけでなく優先順位も整理します

労務監査では、多くの確認項目があります。
しかし、すべての問題が同じ重要度ではありません。

確認結果をもとに、

・早急に対応したいもの
・重要な経営判断に影響する可能性があるもの
・中期的に改善したいもの
・今後の運用で見直したいもの

に分けて整理することが重要です。

単に問題点を並べるのではなく、会社の状況や監査の目的に応じて、どこから対応すべきかを明確にする視点が求められます。

確認して終わりではなく、改善につなげることが大切です

労務監査の結果、改善が必要な点が見つかった場合には、その後の改善につなげることが重要です。

たとえば、

・就業規則や諸規程の見直し
・雇用契約書や労働条件通知書の整備
・勤怠管理の改善
・残業管理の見直し
・労使協定の整備
・ハラスメント相談体制づくり
・社内の管理フローの見直し

などが考えられます。

労務監査は、問題を指摘することだけが目的ではありません。
会社が安心して次の段階へ進むために、必要な改善につなげることが大切です。

案件に応じて、必要な専門性を確認することが大切です

労務監査では、会社の規模や確認範囲によって、必要な専門性や対応体制が異なります。
特に、IPO準備、M&A、労務デューデリジェンスなどでは、短期間で多くの資料を確認する必要がある場合や、複数の論点を整理する必要がある場合があります。

相談先を選ぶ際は、次のような点を確認しておくと安心です。

・労務監査に対応しているか
・IPO準備やM&Aに関する労務確認の経験があるか
・労務デューデリジェンスに対応しているか
・報告書作成に対応しているか
・短期間での資料確認やヒアリングに対応できるか
・必要に応じて、他の社会保険労務士や専門家と連携できるか
・監査後の改善支援まで相談できるか

eROUMU.netでは、労務管理、労務体制整備、労務監査に対応する社会保険労務士の情報を掲載しています。
掲載情報をご確認のうえ、相談者ご自身の判断で相談先をお選びください。

社会保険労務士による労務監査

労務監査は、労働関係法令や人事労務の実務について専門的な知識が必要となる業務です。
社会保険労務士は、労働関係法令や人事労務に関わる専門家として、会社の規程、書類、実際の運用を確認する役割を担います。
労務監査では、形式的な確認だけでなく、会社の実情や今後の成長を踏まえて、労務管理上の課題や改善の方向性を整理することが大切です。

このような場合は、労務監査に対応する社会保険労務士をご確認ください

・自社の労務管理に見落としがないか確認したい
・第三者の視点で労務管理全体を点検したい
・就業規則と実際の運用にズレがある
・従業員が増え、管理体制を見直したい
・IPO準備に向けて人事労務面を確認したい
・M&Aに向けた労務デューデリジェンスが必要
・買収対象企業の労務リスクを確認したい
・売却や事業承継に向けて自社の状態を整理したい
・本格的な労務監査を検討している

会社の状況に合った相談分野をご確認ください

会社の規模や成長段階によって、必要な労務管理や確認すべき内容は異なります。

日々の労務管理を整えたい会社。
組織拡大に向けて労務体制を見直したい会社。
IPO・M&Aに向けて本格的な労務監査を検討している会社。

現在の状況に近い分野から、確認すべき内容をご覧ください。

・成長企業向け 労務管理
・組織拡大向け 労務体制整備
・IPO・M&A向け 労務監査

労務監査に対応する社会保険労務士を探す

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実際の相談・支援業務は、相談者と担当する社会保険労務士または社会保険労務士法人との直接契約により行われます。

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